Cubに乗ってどこまでも

株主優待大好きサラリーマン。タダ取りなんてケチなことは言わないガチホルダー。優待生活を綴ります。あとは旅行先とか雑学とか。

【転機】直木賞作家・佐藤愛子「逃げるともっと苦しくなる」

直木賞作家の佐藤愛子さん。
43歳の時に、夫が経営していた会社が2億円の負債を抱えて倒産。
夫は夜逃げし、そのまま連絡がつかなくなります。
それが実は、小学校の同窓会前日だったんだとか。


「昭和42年のこと。
2億円って言ったら、1枚500円の原稿料で物書きしていた無名に近い私にとって、ピンとこない天文学的な数字でした。
子供も小さかったし、食事も喉を通らず、横になっても寝られない。
鬱病みたいになってしまいました」


同総会当日。
借金話に体がへたり、行きつけの整体に向かいます。
高名な先生らしく、背骨を触るなり「佐藤さん、背骨の調子がいつもと違います。一体何があったんですが?」と。
事情を話すと、治療に取り掛かり、人生を決定づける言葉をもらったんだとか。


「佐藤さん。苦しいことが起きたら人は逃げようとする。
でもね。逃げると物事はもっと苦しくなる。
だから、逃げないで正面から受け止める。
無理してでも受け止めた方が、結果的に楽ですよ。

これから同窓会に行きなさい。
行きたくなくても行きなさい。
それが逃げない事への第一歩になります」


治療後、同窓会へ向かいます。
みんなが「遅かったね。どうしたの?」と聞くので事情を話すと「亭主の会社が倒産したのに、よく同窓会に来たね」とみんな驚きます。


でも逆に『人がしないことをする力が、自分にはあるんだな』と思いまして。
そこから私の進撃が始まったのです」


のちに、この体験を「戦いすんで日が暮れて」で小説にし、直木賞を受賞。
時代は高度経済成長期。
講演会の収入などもあり、無事借金を完済したんだとか。


「あの体験と向き合うことが出来たからこそ、作家として生きてこられた。
人生、損得勘定じゃないということを教えてもらいました


逃げるな。
立ち向かえ。
受け止めろ。
肝に銘じます。